前日光(栃木) 三ノ宿山(1229m)、大木戸山(1286.7m) 2022年1月8日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 7:49 林道−−8:46 三ノ宿山−−8:55 1140m鞍部−−9:20 大木戸山−−9:34 1140m鞍部−−9:50 1140m鞍部−−10:09 林道

場所栃木県日光市/鹿沼市
年月日2022年1月8日 日帰り
天候快晴
山行種類軽い籔山
交通手段マイカー
駐車場林道脇に駐車可能
登山道の有無主稜線には踏跡程度はある
籔の有無無し
危険個所の有無林道直上は急斜面で転落注意
山頂の展望どちらも悪い
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コメント大木戸山は日本山名事典記載の山。東側の広域基幹林道から往復。尾根最下部は傾斜がきつく苦労したが、それ以降は歩きやすい尾根が続く。藪は皆無。積雪は深いところで15cm程度。2つの山頂及びルート上はほとんど樹林に覆われて展望は悪い。帰りは三ノ宿山南を巻いたが比較的歩きやすくて利用価値は高い




林道は広いので路側駐車可能 900m鞍部山側法面にかかる簡易はしご(使わなかった)
鞍部北側の法面崩壊地から斜面に乗る 斜面に乗った直後。かなり急
標高940m付近。急斜面をジグザグに登る 境界標石?
標高980m付近。傾斜が緩まる 標高1050m付近
標高1110m付近の鹿の足跡 1150m小ピーク
標高1210m付近 標高1220m肩。三ノ宿山の一角
山頂付近に北側からの足跡あり 三ノ宿山山頂
現在の栃木県内で最もよく見る栃木の山紀行 達筆標識が生き残っていた
達筆標識裏面には署名が無かった 自分のトレース。積雪の多いところで15cm程度
あのピークが大木戸山 1140m鞍部へと下る
1140m鞍部の祠その1 1140m鞍部の祠その2
多数の鹿の足跡 ワイヤーがかかった倒木
朽ちかけの有刺鉄線 1270m肩
大木戸山頂手前から女峰山が見えた 大木戸山山頂
山頂標識群 栃木の山紀行
達筆良識。裏に署名なし たぶん布kumo
1140m鞍部手前から見た三ノ宿山 1140m鞍部で右の斜面をトラバース開始
トラバース中 トラバース中
ここは下へ迂回 下は植林で安全に迂回可能
トラバース中 三ノ宿山東側の1140m鞍部で尾根に復帰
林道直上の急斜面帯 往路で使った法面崩壊地
林道に降り立つ この林道は基幹林道前日光線


・前日光の山。三ノ宿山は地形図記載の山で大木戸山は日本山名事典の山。日光/鹿沼の境界に位置し、おそらく主稜線上に登山道があるだろうが、この2山のみを狙うのに最も効率的なルートを検討。県道の滝ケ原峠から南に延びる林道が尾根を越える900m鞍部から尾根に取り付くことにした。

・前回は鹿沼へ佐野→栃木回りで入ったが、今回はさらに奥で時間がかかるため足尾周りで入ることにした。おそらく距離的に短くなること、旧大間々以降はほとんど信号が無いので所要時間も短縮できるだろう。でも距離的には約200kmあるので遠い。

・前回は軽井沢経由で群馬に入ったが今回は鳥居峠経由。凍結が怖いがこちらも市街地が少なく信号が少ないので時間短縮につながる。鳥居峠近辺の気温は-9℃で特に下りでは慎重に運転。幸い、路面上に雪が残る区間は僅かであったが道路の両側には除雪された雪が積まれていた。標高が高いので長野市内より積雪は多かった。群馬県内に入ってもしばらくは雪が残るが長野原まで下ると雪はかなり減った。再び雪が現れたのは足尾に入ってから。でも路面上はほぼ乾いていて滑ることは無かった。

・日光に入って県道277号線を上がって滝ケ原峠で林道へ。林道入口にゲートが無いか心配していたが広域基幹林道でフリーパス。ただし路面は雪に覆われて冬タイヤでないと入れない状態。こちらは長野在住なので当然冬タイヤであり問題無し。まあ、ツルツルな場所ではそれでも滑るが。

・目的の尾根を越える地点まで所要時間は長野から5時間ちょっと。思ったよりはかからなかったが車の運転だけでも疲れる長時間だった。駐車場があるわけではないが道幅が広いので路側で仮眠。日付が変わるまで起きているのは私にとっては珍しいことで酒が入ってすぐに爆睡した。天気は快晴で満天の星空だが冷え込んだ。

・6時間睡眠したので明るくなってから起床。今日も好天だ。朝飯を食って出発。林道には他に車の通行は皆無だった。

・林道の西側は広範囲が法面の連続で取り付くのは不可能だが、縄梯子のような簡易的な梯子が設置されていた。ただしかなり古そうで今でも安全に使えるか非常に怪しいのでこれは利用せず、取り付き可能な場所を探して北上。法面が崩れて鹿道ができた個所があり、ここから斜面に取り付いた。鹿道様様である。

・標高950m付近は斜面から読めるように傾斜は相当急で、よくもまあこんなところに植林したと思えるほど。南にトラバースしても尾根直登は猛烈な傾斜で、しばし細かくジグザグを切って登っていく。まだ雪はほとんどなく地面が出ているが、気温が下がって土が固く凍っているので長靴のエッジが効きにくい。おまけに落ち葉で滑るので足元に要注意だ。

・傾斜が急なのは最初だけで、標高差で数10mも登れば通常の傾斜の範囲内になり、尾根を安心して歩けるようになった。尾根下部では北斜面は植林、南斜面は自然林。地面付近はごく背の低い薄い笹(種類は分からない)で、どうも鹿に食われて薄くなっているような。藪が無いのはいいことだ。雪の上には鹿の足跡が多数あった。まだこの程度の積雪では鹿のこうどうに大きな支障はないだろうが、人間がラッセルで苦労する積雪量になると鹿は行動不能になる。牛の仲間のカモシカは豪雪地帯でも平気でラッセルできるパワフルな動物だが、鹿は意外に繊細で積雪量が多いと車がスタックしてしまうように動けなくなり餓死してしまう。だから積雪が多い地域では冬場は積雪が少ないエリアに移動するのだが、近年は温暖化が進んで冬の積雪が減っているだろうから冬の日光でも鹿は生き延びられるかも知れない。

・高度を上げると徐々に雪が増えてくる。最初は日当たりの悪い北斜面に多く雪が残っていたが、そのうちに逆に南側の方が多くなった。尾根上には吹き溜まりのような雪が多く積もった場所が現れるようになり、雪庇のできかけかもしれない。北風の風上側は雪が風で飛ばされて積雪が少なく、風下側の南斜面に多く積もったのかもしれない。

・三ノ宿山の山頂の一角にたどり着くと積雪は多いところで15cmほどでラッセル状態に。今回も長靴なのでスパッツは不要で積雪には便利。おまけに防寒なので雪があってもさほど足の冷たさは感じない。ただしこの長靴は重いのが難点で、おそらく登山靴の2倍くらい重いと思う。まあ、スノーシューのトレーニングと思えばいいか。雪質は軽いとはいえずそれなりの足の重さになるので、できるだけ雪が少ない場所を選んで歩いた。

・真の山頂は主稜線に登り付いた肩よりも北にあり、比較的雪が浅い西斜面側直下を歩く。これも雪庇のなりかけだろうか。

・三ノ宿山山頂には北側から登ってきた足跡があったが足跡はここまでなので、山頂で引き返したようだ。意外にも古い達筆標識が今でも残っていたので裏側を見たが、署名は無かったのでいつ設置されたものか分からなかった。周囲は落葉樹林に覆われて冬枯れの今の時期は多くの枝を通して見通しがあることはあるが、写真撮影したくなるような風景ではない。この標高ではこれが当然だ。

・次は大木戸山。三ノ宿山の南西側にあり、1140m鞍部まで一度下って登り返す必要がある。尾根は明瞭で意外と急な下りが鞍部へと続いているのが見える。これまで同様に藪は皆無で歩きやすいが、地面の土が固く凍って靴のエッジが効かないのでずり落ちないよう注意しながら下った。どういうわけかこの下りは比較的雪は少なかった。雪の残り方は北側が多かったが1140m鞍部付近からは南側が多くなった。

・1140m鞍部には意外にも2つの祠があり、もしかしたら昔は峠道として利用されていたのかもしれない。今は鞍部を越える道どころか主稜線に正式な登山道があるかも怪しいくらいだ。

・登りにかかると積雪が増え、できるだけ薄い部分を選んで上がっていく。再び南斜面の方が積雪量が増えていて、尾根直上には雪庇ができかけたように吹き溜まりが登場する。短い区間ながら尾根上に有刺鉄線が張られた場所があり、もしかしたら昔はどちらかの斜面が牧場だったのかもしれない。それともシカの食害対策か? いや、でも有刺鉄線が朽ち果てるほど昔には鹿は少なかっただろう。

・登り切った肩はまだ山頂ではなく、その先のピークが大木戸山。山頂手前で北東側の樹林が開けて女峰山がすっきり見える場所があった。

・展望地点から新雪ラッセルを経て大木戸山山頂に到着。山名事典記載の山なので山頂標識は期待していなかったが意外にも複数あり、地元ではそこそこ名が知られた山らしかった。達筆標識も発見。塗装がかなり痛んでいたが錆は僅か。素材のブリキ?板はかなり長持ちしそうだ。

・大木戸山は三ノ宿山同様に山頂は落葉樹林に囲まれて展望は悪かった。樹林が無ければ奥日光の山々の展望が素晴らしいのだが。

・帰りは1140m鞍部から三ノ宿山の南斜面を巻いてしまうことに。大木戸山から三ノ宿山南斜面を見た感じでは植林帯が連続してはいないが点在しているので、そこそこ安全にトラバースできると判断。これで標高差80mをカットできる。ただし、これまでの経験から足場の悪いトラバースよりも素直に尾根を登り返した方が楽だったと思われる体験は何度もあるが(笑)

・鞍部から右(南)の斜面に入る。最初は植林帯で傾斜も緩く歩きやすいが、徐々に傾斜がきつくなり高度を落として歩きやすい斜面へ移動。以降、歩きやすい場所を探して細かなアップダウンを繰り返しながら進む。概ね植林帯が続くが傾斜がきつすぎてトラバースが危険な場所もあり、そこは危険地帯を迂回する薄い獣道で下の植林帯に迂回。道の薄さからして鹿道ではなくもっと小さな動物のものだろう。

・ほぼ水平に移動し続けたので往路の尾根に戻るまでには結構な距離のトラバースを続けることになったが、危険個所回避で大幅に上下に迂回する場面は無く、結果的には今回のトラバースは正解であった。狙ったわけではないが往路の尾根には三ノ宿山東側の1140m鞍部で復帰した。

・往路の尾根に戻ってからは淡々と尾根を下っていくが、最後の急傾斜区間は北側の植林帯にずれてジグザグに下り、林道直上からは北にトラバースして往路で使った斜面崩壊箇所を探し出して林道に降り立った。

 

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